ローリングあざらし撲殺活動記録

その軌跡。議事録。文章置き場。その他なんでも。

公演アーカイブ③スタッフワークス

この項ではスタッフワークについて書く。

とはいえ、今回すべてのスタッフワークを2人だけでやったが故に「これはもう芝居じゃないのではないか?」という疑問がある。

どういうことかというと、以下に書いた通り、全てのスタッフワークをきちんとこなせたはずは当然無く、すべて場当たり的に、必要最小限のことだけやったという感じなのだ。こんな甘いもんじゃないし、こんな時間をかけずにできることじゃないし、詳しい人からしたら突っ込みどころが死ぬほどあるんだろうな、と思ってやった。

やはり色んな道のプロフェッショナル、あるいは異能者が集まってこその舞台芸術であり、たった2人やらなんやらで、全部しようというのは、傲慢と言うか、頭を空っぽにして、雑にこなすことへの抵抗を減らすことによって実現した気がする。

 

まぁ結局はそれも芝居なのだが、演劇のポテンシャルはもっとあるはずだから、この作風にこだわる理由はないし、次やるときはもっとマンパワーに頼りたいなという感じではある。

だが、良くも悪くも個性がだだ漏れであったし、雑、というのは、一つの方法論だよな、と思った。何が雑で良くて、何が雑ではダメなのかわかったら、もはやそれは本とか書ける気がする。そして、詳しい人から見たら突っ込みどころがいっぱいあるんだろうな、というのは紛れもない事実でしかないが、詳しくないからこそ、こんなやり方になったんだな、というところには、発見もある気がする。

 

さあ、御託はもうやめて、具体例の報告へいきますぞ。

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受付時に着用した名札

名札

打ち合わせで「さっきまで受付をしていた我々がそのまま舞台に出て、演技し始めるということは気持ち悪いのでは?」という議題が出た。

これを解決するため、名札を使う事にした。受付時は「制作」という名札をつけ、本番をしているときは「役者」という名札をつけた。

他にも劇中に音響をいじるときは「音響」、照明をいじるときは「照明」の名札をつけることにした。これだけのことで、思いのほか違和感が緩和された。アンケートでも名札に付いてはポジティヴな反応が多かった。

 

演出

今回はリーディング公演であったが、全編イスに座って読む、という形式は避けたかった。その形式で面白いものを作れるほど、戯曲の執筆力と演技力に自信が無かった。なので演出は必要だった。

 

演出は駆け足で行われた。そのシーンは読むか、覚えるか、棒立ちか、小道具を使うか、くらいだけ決め、それがどのくらい有効かみたいなことは一切考えずに進みつづけた。また出ハケはどうするか、小道具はどこからきて、どこへ行くのか、みたいなことは全部ギャラリーに行ってみないとわからないとして、一切考えなかった。

小屋入りした日の、本番と同じギャラリーを使った稽古でようやくすべてのシーンで何をするかが決まった。小道具のおける棚と、後ろにハケられる舞台裏スペースがあったので、小道具と出ハケの問題は解決した。

 

小道具としてのテキスト

今回のリーディング公演では(物理的に)色んなものを読んだ。

自由帳やらハードカバーやら次々読むものを変えたり、団扇であおいでるフリして貼り付けてあるテキスト読んだり、黒板に書きながら読んだり(これは覚えてるけど)スマホをいじりながらスマホを読んだり、何も書いていない大きな色画用紙を読んだり(これも覚えてる)原稿用紙を読んだり、最後の最後でただの稽古用台本を読む、というのも熱かったと思う。

読む内容に合わせて読む者を変えるというのは、わかり易く、動きに変化があるし、練習も慣れるまでわずかにするだけで済んだし、有効だったと思う。なんでも安直にやってみるものだと思った。

 

美術

ギャラリーを選んだ時点で、ある程度の美術的選択をした気がする。

下見の段階で、舞台面をどう使うかだけ決め、後は特になんの図面も書かず、イメージラフも妄想も、何にもなかった。

演出と同じく、現地についてから、すべてを決めた。

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舞台裏。とても快適だった。このソファは客席に使うか悩んだ、客席の質を露骨に差別するのは面白いと思った。

まず、舞台裏を作っているパーテイションを動かすことによって、舞台面を拡張するかどうかの判断をした。パーティションの裏に隠されていたソファや流しや冷蔵庫などを客に見せるのは魅力的に思えたが、今回はとくにそれを利用する腹案もなかったので、見送った。舞台裏も欲しかったし、パーティションは色々打ち付けられたりして便利だった。

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見事に調和した100均グッズとギャラリー備品のそれっぽい什器(棚)

美術というよりは小道具を買い漁った。ドンキホーテにも行ったが、出来合いの小道具たちは全く気に入らず、どちらかというと100均の、玩具の類いではなく、日用品や、ちょっとおしゃれな小物などに惹かれた。これは興味深いことだった。

舞台面に大きいものが欲しいときはギャラリー備え付けの家具が活躍してくれた。ギャラリーゆえに、小道具を、それなりに綺麗にディスプレイする什器というか、おしゃんな棚があったので、舞台面に堂々とそれを置き、全ての小道具を並べて見せた。使わなかった小道具や、造花の花びら、瓶、水中眼鏡、水鉄砲、ニセの草のマット、なんかも、さまざまに飾り付けられて楽しかった。壁には黒板のシートを打ち付けた。(ギャラリーだから心置きなく押しピンを刺せるのもよかった)

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意外と使いでがあった黒板シート。本番中以外もタイスケを書かれたりして活躍した。

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また、とても立派なイスが2脚あったので、それを中央に並べておき、足下にペットボトルなんかを置いて、いかにもアフタートークみたいな仕様で、開演することにした。あからさまに、読むぞ、読むだけの舞台だぞ、という見た目。それで、実際に開演して10分も経つと「動くのに邪魔だね」つって、ソレを除けるのだ。とくに急ぐこともなく、トロトロと、まるで今気づいたみたいに。そういう物との戯れ方は楽しかった。

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開演前の様子。役者の名札をつけている可愛い人形たち。

照明

照明については(も!)小屋入りするまで一切何も考えてなかった。

クリップライト3台持っていって、ギャラリーの照明と組み合わせて、このシーンは明るい、このシーンは暗い。このシーンは小道具の明かり使うから全部消す、とかそういうのを決めた。芝居しながらパチパチするのは間抜けな感じで良かった。また、ギャラリーの照明が、3つの区画ごとに、3つのスイッチで分かれてて、それがすごく使い易かった。しかし全ては偶然に過ぎず、本当に無計画であった事は反省した方が良さそうだ。

他の反省点というか、非常に勉強になったのは(今考えると当たり前のことだが)クリップライトで後ろから照らすと、我々からしたら動くための明かりを得られるが、客席からは逆光となって顔が影になるということ。ゆえに上から照らすしたり、前から照らすことが必要であること、色々あると思った。

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ショック! 暗いと顔が見えないのだ。でもそれってなんだか陰気な我々としてはやりやすいなぁ。

また公演後、動画を見たら、もっと自分から照明に当たりに行く動きをすべきだと思った。そうすれば顔が見えるし、何より、照明を意識して芝居している様が、間抜けで、この芝居の演出にあっているし、それってすごく演劇っぽいと思ったが、後の祭りだった。演出として前から見ること、それが出来ぬなら映像を撮って正面から見る事の大事さをまた実感した。

結論:照明は偉大である。

 

音響

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今回は、

①手持ちのウォークマンをスピーカーにつなぐ

②劇場のCDプレイヤーでCDを流す。

③手持ちのiPhoneで音を出す

④レコードプレイヤーでレコードを掛ける。

⑤ギターで適当な音を出しながら、唸る。

 

というような方法で音を出した。

うまく行っているところもあればうまくいっていないところもあったが、

どの場合も、わりと音が出ているときに、驚き、とか、間抜けさ、とかがあったのが良かったと思う。

盆踊りをする前に、セリフを言いながら、iPhoneから盆踊りの音を出して、それを握りしめたまま踊っている様は間抜けで可愛いし、これからレコードを掛けるぞ、という面持ちで、お客さんの目の前に、プレイヤーをドンと置いて、わざとゆっくりした動作でレコードをかけたり、あるいは、意味なく、ヘッドホンとかつけて「音響」の名札をつけてから客にお尻を見せて、レコードを掛けるのは楽しかった。かけた後に、ちょっと踊ったりしたが、それも違和感なかったと思う。だって、おれは音楽をかけたのだから、踊りもするさ。そういう音響だった。

 

また音楽を聴くだけのシーンがあった。おれは、レコードをかけ、正座して、それを聴いた。聴く演技ではなく、当然聴いた。ある程度聴いたのち、「憂鬱だ」と呟いた。それは決まっていた。その後、憂鬱だ、憂鬱だと呟きながら、スーツを着て、踊った。明るい曲調の音楽を聞きながら暗いことをいいながら踊った。憂鬱な気持ちをブルースのように繰り返し口に出してみた。でもあくまで体は明るい音楽に合わせてスイングさせた。回によって、お客によって出来不出来があって、これが演劇かはわからないけれど、非常に、生だった。そういうことができてよかったが、そういうことができてしまう、この芝居はやっぱり変な芝居だった。

音楽については、結構思い入れがあるので、脇道にそれた感じになった。

結論:音響は偉大である で締めようと思ったが、音響的な反省はあんまりない。しいていえば、レコードの扱いが雑すぎて、スリーヴを踏んづけたりして、観に来てくれたバイト先の先輩に殴られるかなと思ったけど、そんなことなかった。いい人たちで良かった。

 

制作

一番考えることが多かったので、別記事にて。

公演アーカイブ②「合作のあらまし」(大島)

 

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今回の戯曲(演劇の台本)を書いた二人。プロレス観劇する小池栄子を演じているのが山下。ただ立ち尽くしているもこみちを演じているのが大島。

以下、大島の主観である。山下の考えはわからない。そして、嘘がたくさんある。もはやよく良く覚えてないので。

 

(前提)

なぜ合作にしたか? 

たしか僕が持ちかけた気がする。やはり、どちらかの作品にどちらかが奉仕する、というのは、よっぽどのモチベーションがなければならぬ、と思い、それならば、一番モチベーションが明確な、2人とも自分の作品である、というのが手軽だと考えた。ちなみにスタッフや役者も2人のみなのは、コンセプトがよりくっきりして、面白いと思った。あと、省エネ(?)のためだ。

 

(作風)

私も山下も同じ教育機関で勉強したにも関わらず、台本に対する考え方、仕事の進め方が全く違った。しかし、同じ教育機関で勉強したゆえに、共通の経験・知識、相手の作風に対する理解があり、意志の疎通がスムーズであった所もある。そして作風自体にも多少の共通点があるように思えた。

 

おそらく(というのは山下のことは知らないからだ)われわれはあまり正統派の物語を書いた事がない。起承転結がきちんとあり、丁寧に登場人物や場面についての説明があり、謎があり、事件が起きて、事件を解決する過程で、登場人物の人間性を見せ、客に彼らを応援、または嫌悪させ、そいつらの行く末、事件の結末をしっかりと描く。という物語を書いた事がない。

 

代わりに僕らはともに「変なセリフ書き」であるように思う。一つの場面やら、シーンやらを、興味深いものとして書く事ができ、登場人物に変なセリフを吐かせる事ができる。一方、地道な説明や、伏線を重ね、それらが積み重なって、ドンっというものはやったことがない。今回も特段それは目指さなかった。(いつかはできるようになってみたいと個人的には思っている)代わりに何を目指したかと言うと、

 

何を目指したんだろう?

 

しっかりした物語の代わりになるものとは一体何で、どうすればそれを達成できるか。そこは大変曖昧だった。しかし全てが曖昧なままでは何も書けないから、書くために必要なTODOリストみたいなのを設けた。これとこれを書く、ということだ。

 

(合作の手順)

公演日がまだ遠い頃、それでも公演の実行は決定した頃。

お互いに「私戯曲」というお題で作品を書こうとした。

この私戯曲という言葉については、前の記事にも書いたので説明は割愛する。

そして、それぞれ、合作のことは考えずに書いた。

 

山下のお題は「子供時代」

大島のお題は「社会人経験」

 

そして、それぞれ一本ずつ戯曲を書いた。やはりしっかりした物語性を持った戯曲ではなかったけれど、とにかく2本の戯曲が出来た。一度それを適当に繋ぎあわせてみたが、当然、全く繋がらなかった。しかし、オムニバス的なもの、2本立て的なものは、今回はやりたくなかったので、どうやって一本の作品にするか戦略が必要だった。

 

話の流れで、戯曲の中に3つの層を作ることにした。

 

A 大島、山下が話すシーン。

B ペペとエミオール、作家志望の二人の話。

C ↑彼らが書いたお話のシーン。

 

で、Bがメイン。Aはオマケみたいなもんで。Cはふざけて遊ぶための枠みたいなもの。

 

Bは下記のようなシーンで構成される。それは事前に話して決めた。

 

・二人(ペペとエミオールの子供時代)の話。

・エミオールとペペが絶交する

・エミオールが就職する

・ペペはアラスカに行く。

・二人は和解する。

・ペペは鹿に食われて死ぬ。

 

繰り返すが、AとCは何でも良かった。効果的であれば何でも。この場合効果的とは客を飽きさせない、とか、Bの物語を補強する、とか。

 

(艱難辛苦)

以上のことが決まっても一本の芝居をでっち上げるのは難しかった。あらすじやプロットについて話し合っていると、疑問点がいっぱい出てくるから、それに回答していけばお話が出来るかなと思った、まぁそんな感じで書き進めた。

 

(例)なぜ二人は絶交したか?

   なぜ二人は和解したか?

 

だがしかし(なぜだ!?)結局、まともな答えと、それを提示するための丁寧な筋道は用意できず、なんとなく、それまでに書き続けたシーンを流用したり、ねじ曲げたりして対応した。だから終盤はとても曖昧なものになった。

 

他に、AのシーンとCのシーンは何でも良すぎて、無限に違うものが書けてしまうという問題が発生した。何バージョンもできた。Cなんて、もはや、没原稿の方が多い。

 

それでも書き続けて、なるべく、自分たちが納得できるものを残して、お客に取ってわかり易いか、どうかということを、それなりに意識して、時間内に出来たのが、今回の脚本だ。

 

以上が、執筆の行程だが、ここまで書いて、大島にとっては非常にいつもの(一人の)劇作と変わらないなぁと思った。そのことは、たぶん、なんらかの問題を孕んでいる。ここでは深追いしないが、山下には、私のペース、やり方に合わせてもらった所が多かったように思う。

だから、思ったよりスムーズだったというのは私の視点での話だけなのかもしれない。

『ペペとエミオール』アーカイブ①(大島)

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写真は差し入れで頂いたイカした和菓子。見た目がものすごく貝に似ているけど、たぶん偶然だろう、と歯ごたえてみたらめっちゃ固かった、ガチ貝だった、もうガチガチに貝だった、でもよく洗ってあって、しかも甘い蜜みたいなものがうっすら塗ってあってだまされた。貝を開けると、中に、すごくイカした和なフレーバーのする水ようかんがみちみちに詰まっていた。美味しかったです! ありがとうございます。殻はちゃんと小道具に使いました!

18日に終わった公演についてあれこれ書きます。

 

目的は

1.反省点や発見をメモしておくこと

2.アーカイヴを残すという作業自体をあまりしたことがないため、やりたい。

3.人に公開することで活動の宣伝に繋げたい。

 

の3つが主だと思います。

手探りでもまだ記憶のあるうちに書いていきますので、大変雑なメモですが、必要なら注釈を増やし、改訂し続けたいです。でもまぁ、他人(ひと)が読めるレベルで。

 

ではいきます。

 

①「明確な反省点 」

脚本

・台本が完成しておらず、かつ、本番前までいじり続けた。

(しかし、見切り発車しなければ、公演自体が実現しなかった?)

・しばしば稽古時間に台本のことばかり話いてしまった。稽古時間を浸食した。

 

稽古

・時間にルーズだった。稽古場に遅れた。作業をずるずるしていて、次のスケジュールに遅れた。稽古場でも立てたスケジュールに従わなかった。

・つまり、稽古時間が不足していた。

・つまり、必要な稽古時間が読めていなかった。

・もっと動画などを撮影して活用すべきだった。公演後に本番の映像を見て気づいた事が予想以上に多かった。

 

制作

・小道具、印刷代などのレシートをきちんと取っておかなかった。ゆえに清算が曖昧になってしまった。

・稽古場を毎回、前日などに取っていた。

・事前に稽古場代を計算して、計画を立てて、決めるべきだった。

 

②意外とできたこと

チラシ作り

・データをPDF化さえできればプリントパックを利用した入稿→印刷の流れ

はスムーズだった。

・また裏表で一面ずつ制作者を分けたからか、デザイン面で揉める事はほぼなかった。個性も出たように思う。

・チラシのデザイン、わたしはエクセルで、山下はiPhoneで作ったが、データ化さえできれば何でもいけると思った。

 

合作

・書くところをくっきり分けたのが良かった。部分ごとにここは山下、ここは大島、と決めた。

・Lineでの連絡に迅速に対応してくれた。お互い、相手の書いたところを確認して、別のところを書く、というやり方ができた。進捗状況の共有もできた。

・全体像について、書き直しの方針について等の話し合いも効果的だった。

 

他、詳細は別記事にて。

ワーキングからの宣伝DAY!

こんにちわ。

残業をして待ち合わせに遅刻した大島です。
皆様は元気にお過ごしでしょうか。

とても熱いけど。暑いよね。

あつくない?

あつい。

 

でもわれわれは涼しい。

おしゃれなカフェぇぇにいるから。

あと10分で閉店するけど。

 

なぜ、われわれが今おしゃれなカフェェーにいるかというと、それは宣伝のためである。我々は平日は20時から動き出す戦士だから。

通常は大島は22時ぐらいに仕事が終わるのだが、今はシフトを変えてもらって19時にあがったので、残業を40分して、20時からの戦士なのだ。あれ? なにかがおかしいな。そんなことないか。

 

 

さて、

そんなことはさておき、

『ペペとエミオール』の芝居がいよいよ10日後に幕を開けます。

多分、幕はないので、開きませんけど、なんだろ。

その姿を現世に現すと言うか、ひっそりと現れて、ひっそりと消える。みたいな感じ?


そのひっそりに立ち会う方達を少しでも増やしたい。というのが、我々の願いです。

そのために、ペペとエミオールがどのような芝居なのかを少しく説明いたしましょう。あと、5分で。

 

3層構造になっております。ミルフィーユみたい(ミルフィーユは三層構造ではない)

皮にあたる部分が、われわれ(大島と山下)の喋るパートで、これはLIVE感が重視されます。次にクリームに当たるのがペペとエミオールが登場するパート。これはリアリズムよりの芝居と見せかけて、なかなかポエミーな長ゼリフが登場する感じです。

 

あと、なんだっけミルフィーユって。

皮とクリームだけだっけ? 

まぁ、いっか。ミルフィーユで言うところの、ミルフィーユの魂、みたいなところにあたるのが、二人(ペペ、エミ)の書く、お話です。荒唐無稽。

 

という3層構造になっております。

一応なっております。

あとは、そのミルフィーユをあなた方が召し上がれば、口の中で渾然一体となって、糖分と資質最高! となるはず。

 

やばい、そろそろ、帰れって言われる! ではまた!

どこぞのWIFI空間で!

あるいは早稲田の、地下空間で!

 

リーディング公演『ペペとエミオール』

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チラシデザイン:われわれ

 

【あらすじ】ぺぺとエミオールはたぶん幼馴染。2人はいつのまにか大人になり、そうすると当然、就職するかアラスカに行って鹿に食われるかを選ばなければならない。妬み深いエミオールは暗いものを抱えたまま面接へ行く。口下手なぺぺは上手に喋れないままアラスカへ。どうでもいい彼らの行く末と、どうでもよくない2人が作ったいくつかのお話に、かんたんな歌と踊りを添えてお送りします。

 

◎とき

2019年8月

16日(金) 18:00〜

17日(土) 13:00〜/17:00〜

18日(日) 13:00〜/17:00〜

※会場は30分前になります。

 

◎ところ

IZUMO GALLERY

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〒162-0044
東京都新宿区喜久井町29番12 art BLD 地下1階
東京メトロ東西線早稲田駅」2番出口 徒歩6分
都営地下鉄大江戸線牛込柳町駅」東口 徒歩7分
都営地下鉄大江戸線若松河田駅」   徒歩9分

 

◎もちもの

・(予約、当日ともに)1500円

 

◎チケット・予約

小さめの会場なので予約推奨です!

→bit.ly/teichiami

 

◎その他/お問い合わせ

mawaruazarashi@yahoo.co.jp

 



初心者演出家必見!

なるほど、そういうのが外向的なものか。


そんなものこちらが教えてほしくて手に余るので、なるべく外向的に見えるように内の話を書こうとおもう。


劇作家は、演出も兼任することが多い。

ならば、どこまでの演出を考えて劇作をしているのだろう。


・演出を考えながら、台本を書く。

    └たとえば、

「父の形見の<眼鏡>を効果的に見せたいから、 <サングラス>をかけたパーティーピーポーのシーンをどこかで書こう」

とかそういうぐあい。

(演出というか小道具の話か…小道具の話じゃん!まぁ、続けます。)


・演出なんてことはまるで考えずに書く。

    └台本を、書く。

      お前に、伝えたいことを、

      とにかく書く。


わたし個人でいうと前者なのだが、

これだと本当に時間がかかるし一箇所崩れるとすべて崩れたりする。疲れて最終的には書かなくなっていくのだ…。


上記以外もあるかもしれないし、

そもそも演出をそこまで考えて書くやつなんてわたし以外いないかもしれない!!


いま(活動を始めてから)、わたしは意識的に後者であろうと試みている。

「どうなるか見えないけど、ここは演出家のわたしに任せよう!」「大島くんもいるんだし、何かしら形になる。頼んだ!ありがとう!」

そういうふうに無責任さを持って。


劇作と演出、楽しさが倍増になるんじゃないか?!

みたいな前向きさ。



というところまでタイピングして気づいたけど、

すでに同じようなことは書かれてましたね。

まぁ、いいか。




(山下)


宣伝について遅まきながら思い出したこと

若い頃(22、3のころ)僕は劇場公演をした。
それまで人が劇場でやる公演に役者として出たことはあったが、主宰、劇作、演出という立場で公演を打つのは初めてだった。

 

そのころは大学生で、稽古場にも困らず、親の金で公演を打ったわけだが、確か120人くらいの動員であった。

 

そのときの僕は今思うと狂っていた。

ゲネプロ(ドイツ語。劇場に入ってから行う、スタッフワークも含め、本番同様でやるリハーサル)の日、客を44人くらい呼んだ役者に対して激怒していたのだ。

 

なぜなら、そいつがゲネプロ前日にメールやら電話やらで一晩中宣伝していたからだ。

そしてそいつはふらふらのまま、劇場に入ってきた。

 

「……なんで、僕が怒られるんや! ぼく正しいことしたやろ?」

 

「しんじらんねぇ」

「ありえねぇ、どうする? 殺す?」

「客の亡者かよ」

「怖すぎ」

 

そいつにとって悲劇なことに、僕のコアな友達で固められた役者陣のなかには、その役者の行為の崇高さを悟り、彼を庇う、なんてやつはいなくて、僕と一緒に「ありえないね」を連呼しながら、針の筵みたいな空気を醸していた。

唯一、その子を庇ったのは、後輩で今回の公演で初めて一緒になる男の子だった。

「いや、先輩間違ってないですよ。むしろあいつら(俺たち)先輩にお礼言わないとおかしい立場っすよ」

 

〜〜〜

とにかく、宣伝が苦手だった。

より多くの人に観にきてもらう、ということが、作品をつくる、

ということの遥か下にあった。

 

ごめんな。Tくん。

 

いまはあの頃よりもずっと客を呼びたい。

経済的な理由ももちろんある。

稽古場たる、公民館の使用料が地獄のように高い杉並区在住だし(当時は練馬)

小屋代はコツコツ労働しながら、プールした金から支払われる。

だからできればトントンで行きたい。

 

だが、一番はやはり、見てもらいたい。

ということにつきる。

嫌われて顔を背けられることになろうと、見てもらいたい。

 

「絶対に面白い」とか「心温まるハートウォーミングストーリー」とかは今も書けない。だって、そんなの嘘じゃん。他人の主観がどうして予め説明できるんだよ。

 

せいぜい書けるのは事実、

ウォンバットの死体が18匹分でます」とか「音響は今まで機材を弄ったことがありません」とか。これは嘘だけど。ああ、そうか、嘘を書いても良いのか。宣伝は。じゃあ↑のは間違ってなかったわ。あ、絶対おもしろいでーす。

 

あとは、まぁ、素直な気持ち、

 

少なくとも、この作品を人に見せて、作者が自分であることを、恥じることはないでしょう。きっと。

 

だから、職場の人や、通ってる美容院の人にも宣伝します。 

 

いや恥ずかしいわ、恥ずかしい芝居やけど、

 

あなたにも、みてほしい。